
「いい子なんだよモナ。めっっっちゃ気がきくし、今日もあいかのために差し入れに来てくれたし」
夫は能天気にモナを褒めちぎります。
「え…わざわざ買って届けてくれたの?!」
私はわざと『わざわざ』の部分を強調して伝えたのですが、どこをどう捉えたのか夫は
「そう、めっちゃ優しいよな!苦労して日本語勉強して、俺の会社に現地採用されて…。実家でのんびり暮らしてる誰かとはえらい違いだよな!」
むしろ私のことをディスってくる始末。
(普通ただの同僚に朝食を買って届けたりする?!なんか怪しいんだけど!)
モヤッとしたものが残りましたが、とはいえ朝からまた夫と険悪になるのはどうしても避けたかった私は、「ふーん」と華麗にスルーすることに。
「さてと。じゃあまずは朝食にしようよ。せっかくモナが持ってきてくれたんだし!」
夫の提案でひとまず朝食を取ることに。コーヒーを飲んでいると、突如夫の携帯がなりました。
「まじで?!えー…Ok, on my way!」
通話を終了させた夫は、慌ててベッドルームに。
「ごめんあいか、仕事でちょっとトラブル発生!俺行かなきゃだわ。昼までには戻るから!」
着替えながらこちらに戻ってきた夫は、なんとこれから現場に行くと言います。
「ちょっと待って?!私五時のフライトだよ?!大使館にも銀行にも行けてないのに…?!」
「わかってるよ!でも仕事なんだから仕方ないだろ?!」
「そうかもしれないけど!」
「あのさ?俺も一応現場任されてる立場なわけ。トラブルがあったっていうのに呑気に妻と出かけたりできるわけないだろ?!」
「………わかった。じゃあ荷造りして待ってるから…なるべく早く帰ってきてね?」
「わーかってるって!じゃあ行ってきます!へへっなんかいいねこういうの。俺たちまだ新婚だもんな!」
照れながら出勤していく夫。私は不安しかありませんでしたが、仕事だというならば仕方ありません。
残された私はとりあえず自分の荷物をまとめ…ている間に気付きました。
(…初めから私の荷物なんて…バックパック一個じゃない…!行きの大荷物はほとんど慎也の荷物なんじゃん!…普通さあ妻を運び屋代わりに使ったりする?!)
イライラしつつも最初の1時間ほどは荷物の整理やら、搾乳やら、空港で帰るお土産を調べたりやらで過ごしていたのですが、2時間経ち、3時間経ち…
正午になっても夫、帰らず!
(もはや安定の残念感ね…)
とはいえ次第に焦り出した私は、夫に連絡。
『大丈夫?!』
『もう1時になるよ?!』
『連絡ください!』
立て続けにメッセージを送信。しかしそれから連絡が帰ってきたのは一時を過ぎた頃でした。
『今から戻る』
(…ってもう一時半過ぎてるんですけど…)
戻った夫とすぐに車に乗って出発したものの、
「ねえ?!手続きは?!銀行は?!」
周りの景色を見るに、どう考えても車の行き先は空港です。
「先にチェックインだよ!時間やばいだろ!」
夫はそう繰り返すばかり。
空港に到着し、チェックイン、荷物を預けて…。
勝手知ったる空港内を、夫はずんずん進んでいきます。
「あ、DFS(免税店)寄ろうよ!あいかこのブランド好きじゃん?!」
私の返答を待つことなく、さっさと店内に入っていくと、そこにあったネックレスをしきりに勧めてきました。
「これとかどうよ?!あいか好きだろこういうの?」
「………」
…流石の私も、もうわかっています。
(やっぱりこいつ、手続きとか銀行とか諸々全部嘘だったんだな!)
▼目次▼
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サレ妻@あいか
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