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 当時夫からは海外送金ができないと言うことで、前回の渡航の際に生活費として二十万円を現金で渡されました。


 児童手当は私の口座に入るようになっていましたが、いくら実家暮らしとはいえ、児童手当+二十万円ではあっという間に生活が成り立たなくなっていくのです。


 娘のオムツなどの消耗品、服はできるだけお下がりや出産祝いで頂いたものを活用していましたが、当時娘は吐き戻しも酷く、一日に何度も着替えなくてはならなかったり、やはり可愛いものも着せてやりたいという母心もあります。


 そしてシーズンものなど買い足すものも出てきて


 離乳食が始まると今度は食器や食具、エプロンやちょっとした調理用具なんかもこれはもちろん100均やリサイクル店などをフル活用していましたが、それでも、食費として実家に毎月いくらかお金を渡していましたし、自分にはほとんど使っていないにもかかわらず、あっという間に、生活費、枯渇。


 夫とは、何度か衝突もありつつ以前のような関係に戻っていたので、ある日の通話中にお金問題について切り出しました。


『ねえ、海外送金ってまだ出来ないのかな?生活費がもうなくて


『はぁ?!もう二十万円も使ったの?!?!?!』


『だってオムツとかお尻拭き見たいな消耗品だけでも毎月結構な額だし離乳食の前のフォローアップミルクとかレトルトの離乳食だって試してるし


『はあ?!レトルト?!そんなものに金使ってんのかよ!ただの怠慢だろ!言いたくないけどさ、あいか、やりくり下手なんじゃないの?!実家にいるのにどうしてそんなすぐ使っちゃうわけ?!』


ここで夫のモラスイッチ、オン!


『大体今だって新しい服着てない?!俺の渡した金はさ?


そう言うのを買うための金じゃないんだけど?』


ソウイウノヲ カウタメ ノ カネ ジャ ナインダケド?!?!


 ここで私はここ数ヶ月の事を走馬灯のように思い出していました。


(児童手当は出来れば貯金しておきたいし、独身時代に貯めたお金は何かあった時のためのものだから


 夫が渡してくれたお金だけでやりくりしないと!と思ってはいたものの、足りない分は結局、私が独身時代にコツコツ集めたブランド物などを中古品販売アプリで売って用立てていたのです。


(独身時代に苦労して貯めたお金で買った憧れのバッグ思い出もあるし、大切にずっと使おうと思っていたのに


 母親には『娘が生まれてもう使うこともないだろうし、断捨離だよ♪』と強がっていましたが心は血の涙を流していました。

 

将来娘に譲ってあげたかった!でも娘のベビーカーだっておもちゃだって買ってあげたいじゃん!そのためには【今】お金が必要なんだもん!)


 私は両親には夫が生活費を充分に送ってくれていないことを隠していたのです。


 夫に悪印象を持ってもらいたくない、ただでさえ夫が海外に単身赴任で迷惑をかけているのに、その上心配をかけるようなことはしたくない!その一心で。


でも


 夫の願いで専業主婦になった私。


(夫のカードで好きなものを買ってます!な浪費なら兎も角、生活に必要な服飾費を夫が負担するのって、そんなにおかしいことなんだろうか?)


そんな思い渦巻く中、とりあえず反論します。


『これはお母さんがいつも同じ服着てる私に、たまにはいいじゃんって買ってくれたの!ていうか、私の服飾費に当てられる余裕なんてないよ!』


 必死な私に対して、ニヤニヤしだす夫。


 おそらく、自分が前回のやらかし以来、久々に優位に立てたのが嬉しいのでしょう。


 本気でイラつくし、性格悪いなあとしか思えません。


 しかし、私にも負けられない理由があります。


 このままではいずれ、両親に迷惑をかけるしかなくなるのですから


『じゃあ逆に慎也はどうなのよ!?その指にはめてるの何?!見たことないよ?!ブランドものだよね?!いくらしたの?!私たちの生活費より自分の浪費にお金使ってない?!?!』


きらりと光ったいかつめの銀の指輪を、夫はわかりやすくさっと外して画面外に置きました。


『これはこっちは銀製品が安いから買っただけで!そんな全然ブランドとかじゃないし!てゆーか


俺の金で何を買おうが俺の自由だろ!てゆーかいちいちチェックしてんじゃねえよ気持ち悪いな!』


(?!)


『いやいや、言い出したのは夫だよね?!とにかく生活費なんとかしてよ!実家にも申し訳なくてそこまで頼れないよ!』


すると夫はまたニヤニヤしながら、こう言い放ちます。


『可愛い娘と孫の面倒を見させて「やってる」んだから、それくらい安いもんじゃん』


はあぁ?!)


 呆れて何も言えずにいる私に対し、夫はどんどん調子に乗って私を責めだしました。


『俺はさ?毎日毎日仕事で嫌なことがあっても1人で頑張ってるんだよ。俺の金って言うのはそういう金なわけ』


『わかってるよ毎日仕事頑張ってくれて感謝してるし、無駄使いなんかしてないよ。あなたの娘を育てるために使ってるんだよ?』


 込み上げてくるイライラを抑えながら、なんとか夫の機嫌を取る私。


『あなたの娘のために、学資保険や貯金もしてあげたいし、このままじゃ本当に生活できないの!お願いします!』


 私が頭を下げたことに気を良くしたのか、夫からはこんな提案が。


『じゃあさ、俺のネットスーパーのアカウント使っていいよ。オムツとかならそこで買えるでしょ?ただし買う前に必ず俺の許可取ってね』


 今にして思えば、どうして毎回買い物のたびに夫の許可がいるのか、となりますが、とりあえずこれである程度生活の見通しが立つ安堵感の方が大きかったので


ありがとう!』


 私は夫に素直に感謝の言葉を伝えました。


 しかしこのネットスーパーのアカウント共有が、のちに夫への疑惑をもつキッカケになろうとは




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