
その日の夜、私はさりげなく夫に探りを入れてみました。
(とは言え、中村夫妻との繋がりは極力隠さないと…バレたらあちらに口止めされたりするかもしれない!)
『そういえばそろそろ、ホリデーシーズンだね?
こっちには帰ってこれないの?
みんな大体一時帰国するって前に会社の人に聞いた気がするんだけど〜?』
『!…き…帰国かぁ…』
一瞬言葉に詰まった夫。
(あ・や・し・い!)
『他の社員さんはみんな帰国するんじゃないの〜?私も娘も楽しみにしてるよ?』
(…本当にそうなら良かったのに…!)
『そ…そうだねー…できるかなあ…あはは…多分帰れるとは思う…けど…』
歯切れの悪い夫の言葉に、私はやや強めの圧をかけていきます。
『日程決まったら教えてね?』
『了解!』
こんなやり取りの数日後には、便名と日程が送られてきました。
…もし私が帰国の話をしなかったらどうしていたのでしょうか?
夫の日程表によると、彼の日本滞在期間は、1週間。
…にも関わらず、私の実家滞在予定は…2日。
『え…うちにはたった2日しか居られないの?!』
『だって俺の実家にも2日は行くでしょ?!あとは仕事関係のこともあるからホテル取ったんだよ』
『え…あっ…そっか…』
完全に義実家のことを失念していました。
(…でもこんな機会でもないと、あちらもなかなか孫には会えないもんね)
嫌だなと言う気持ちは多少あったものの、こちらにばかり来て貰うわけにもいかないか、と了承しました。
『残りの日程はホテルなんだよね?どこのホテル?私たちも泊まるんだよね?』
『いやぁ…どうかなあ…家族までは泊まれないかも。会社に聞いてみるわ』
(…え…?!)
そして、それからホテルについての連絡はないまま、一時帰国の日になりました。
実家の最寄り駅まで迎えに行くと、ほとんど荷物もなく身軽な夫の姿。
久しぶりの父と娘の対面に、やはり胸が熱くなるものがあります。
「大きくなったねー❤️」
と夫もデレデレ。娘をずっと抱っこしたまま離しません。
まずは私の実家に2日滞在予定なので、そのまま実家へ。
「お世話になりまーす」
しかし何を思ったのか、夫は寝室へ直行。
私の両親への挨拶は一言で、あとは『疲れてるから』とそのまま眠ってしまいました。
それだけならまだしも、夜になって夕飯はお寿司でも取ろうか、と両親と話していると、着替えて寝室から出てきた夫は「このあとちょっと会食なので…」と言って出て行こうとします。
(はぁ?!会食!?)
私もとうとうキレてしまいました。
「会食?!帰国当日に?!もうちょっと家族で過ごそうとか、そういう発想はないわけ?!」
一瞬言葉に詰まる夫。
「両親だって私たちだって楽しみにしてたのに…!疲れてるのはわかるし、寝室直行は仕方ないよ?
…でも…娘のお風呂とかオムツ替えとか…いつも全く出来ない分少しは手伝おうって気持ちはないわけ?!」
私の気持ちの奥底には、現地での夫のあんまりな言動が間違いなく燻っていました。
(自分は産後半年の私を呼びつけておいて、こっちの体調はお構いなしであっちこっち振り回したくせに…!)
しかしここで、夫お得意の逆ギレ!
「俺が家族のこと、全く考えてないみたいなこと言うなよ!誰のおかげで生活できてんだよ!
仕事くらい気持ちよく送り出せよ!
とにかく仕事なんだから仕方ないだろ!」
大人の男性に面と向かってキレられて、やはり【怖い!】と言う気持ちが先に来ました。
言い返したい言葉は胸の中で黒いモヤとなってなかなか吐き出せそうにありません。
思わず涙ぐみながら…
「どうしてそんな風に言うの?!私はただ…せっかくの機会だから、家族で仲良くしたいだけなのに…!」
そう訴えました。夫は私の涙に怯んだ様子で慌てて
「泣くことないじゃん!俺がこうやって仕事に集中できるのはあいかの育児を信頼してるからなんだって!自信持てよ!」
そんな風に私を慰め、煽てにかかります。
(どうしてそんな上から目線なわけ?!)
「とにかく明日は1日ゆっくりできるからさ?今日はもう約束しちゃってるから。
明日行きたいとこ考えといて!どこでも付き合うし!」
▼目次▼
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コメント
コメント一覧 (2)
もてなしてくれたあいかさんご両親に失礼ですよね。
サレ妻@あいか
が
しました