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（今すぐホテルに乗り込んでいってはっきりさせたい！


　慎也がどういうつもりで私たちを連れて行かなかったのか、直接慎也の口から理由を聞かないと納得できない！）


　…そう思って義母に


「少し早いですけど…私たちもそろそろ…」

　

　と帰宅の意思を伝えました。すると義母は明らかに慌てて…


「どうして？！まだお昼前よ！？私たちが何かしたかしら？！」

　

　と引き留めてきました。


「いえ、ただ慎也さんも出勤してしまいましたし…私たちだけお邪魔しているのも…」


　すると、義母は困ったような微妙な笑顔でさらに続けました。


「いいのよー！あいかちゃんだって私の娘なんだから、実家だと思ってゆっくりして行って！ねっ！」


　「お気持ちは嬉しいんですけど、娘も知らないところで場所見知りしているみたいですし…疲れているみたいなので…」


　遠回しに『さっさと帰らせてくれ』と義母に伝えるも…


「あのね、あいかちゃん？こんなこと言いたくないけど…


　孫ちゃんが場所見知りしているのは、あいかちゃんがうちにほとんど遊びに来てくれてないからよね？


　…私たちだって孫にもっと会いたいって思ってたけど…産後のあいかちゃんの負担にならないようにってずっと我慢してたのよ？」


　義母の会心の一撃を喰らって、私、撃沈。


（でも夫もいないのにそんなしょっちゅう孫見せになんて来れないでしょー？！）


　産前産後と実家にずっと世話になり、確かに義家族と過ごす時間はあまり取れていませんでした。


　…蔑ろにしていると思われても仕方ない…。そんな負い目が私にはありました。


　「それは…確かにそうですけど…」


「わかってもらえたらそれでいいの。せめて今日1日くらいゆっくり孫と過ごさせてくれない？」


（でも…元々の疎遠な理由は、そちらの過干渉じゃない！）


　そんな文句が首まで出ていましたが、流石に久々に孫と過ごしたいという義母の願いを断るわけにもいかず…


「せめて夕方にはこちらを出られませんか？」


　と伝えてみるも…


「お夕飯はもう近所の鰻屋さんにお願いしちゃってるの！食べて行ってくれないと困っちゃうわ！」


　と帰さない気満々の返答が…。


　せめてもと、私は出された鰻を掻き込み、「では夕飯もご馳走になりましたしそろそろ」と出ようとするのですが、私が帰宅の意思を伝える度に引き留められ、義母とはまともな会話になりません。


（まさかと思うけど夫に時間稼ぎを頼まれたりしてないよね？！）


　と疑いたくなるレベルでした。


　結局、義母の運転で実家にたどり着いたのは夜の10時…。流石にもうパーティーも終わっています。しかも夫は今日からホテル滞在予定…。


（心の底から面倒臭い！この家族！）


　やっとたどり着いた実家でぐったりしつつも、夫には速攻連絡しました。


『明日からどのホテルに泊まる予定？私たちとはもう会えないの？』


『んなわけないじゃん！明日昼くらいにあいかの実家に迎えにいくから、そのまま娘連れて遊びに行こう！』


　…やはり、夫は現在地をどうしても知られたくないようです。『どのホテル』の部分は無視して夫は返信してきました。


『わかった。どのホテルかは言いたくないんだ？』


　私は直接このように問いかけてみたのですが、夫からは


『一応社外秘だからね』


　という驚きの言い訳が！


（社外秘って何？！っていうか○□ホテルでしょうが！知ってるわ！）


　と思いましたが、ここまで隠すということは…私の中である疑惑がどんどん黒く染まっていきます。


（こいつ…もしかして女連れて来てるんじゃないの…？！）


　明日昼頃こちらに来る、ということは、朝には確実に○□ホテルに女といるはず…！私は秒で決意しました。


（突撃してやる…！）


『わかった。じゃあ明日昼頃ね』


　夫にはそう返信し、母親には明日朝から2時間ほど娘を見てくれるよう依頼。


（…でも…もし本当に慎也が女の人とホテルに泊まっていたら…私はどうするんだろう？）


　気持ちが昂りすぎて、その夜は一睡もできませんでした。


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