「この度は、突然お伺いしてすみません。私どもも娘(あいか)から聞いたばかりでして」
「なんのお話でしょう?すみませんがこの後予定があるもので…手短にお願いしますよ」
義父母宅に到着後、広い洋間に通された私たち。
相変わらず上から目線の義父の一言を皮切りに、私は早速本題を切り出しました。
「…お義父さんにはご存知のことと思いますが…慎也さんが現地で重婚していました。
これが、証拠です。本人も認めています。一応この会話も録音させてもらいますね。
…今後必要にならないとも限りませんので」
そう言ってボイスレコーダーを机の上に設置。
そして夫の重婚の証拠書類を、例の結婚式写真(義父と愛人?の写っているもの)をちゃっかり一番上にして義両親に差し出しました。
「………」
「……え…?」
対照的な義両親の反応…。
「…しかも本人は重婚を認めておきながら、うちの娘(あいか)とは離婚したくないなどと世迷言を言っているそうで。
…私どもとしては、一刻も早く離婚して頂きたい。私どもの大切な家族をなんだと思っているのか!」
キッパリと言い切った父を横目に、はぁーっと大きなため息をついた義父は…
「何かと思えば…その話ですか」
そして効果音がなりそうなくらい、堂々と、そしてキッパリと義父は言い放ったのです。
「夫婦のことは夫婦にしかわからんでしょう!外野が口を出す問題じゃない!」
「………!?」
(あの慎也の父親だけあるな…この話の持っていき方…)
私はめまいがしそうでしたが、なんとか気を取り直して義父に尋ねます。
「でも、お義父さんは結婚式に参列されてますよね?
…息子さんの重婚をお認めになっていたということじゃないんですか?」
「………」
途端に黙る義父。
そしてここまで沈黙を保っていた母がいよいよ口火を切ります。
「しかもそちらの奥様ではない女性と。…失礼ですが、こちらのお宅の倫理観はどうなっているんですか?」
母は義母の方を見ながら続けます。
「奥様はご存じだったんですか?…夫と息子がしていることを…!
黙っていないで何か言ってくださいよ!」
しかし義母は我関せずとでも言わんばかりに、母とは決して視線を合わせようとはしませんでした。
代わりに義父が、咳払いをした後に
「…我々夫婦のことも外野であるあなた方に口出しされる謂れは無い。
…息子に頼まれて仕方なく参列はしたが、だからなんだと言うんだ。
そちらの娘(あいか)さんも納得した上での話だと聞いている!」
(はぁあ?!)
「私、納得なんてしていません!するわけないじゃないですか!
…それどころか、先日重婚の事実を知ったばかりです!」
「………」
私はさらに続けました。
「こうなった以上、裁判でも何でも起こして、ちゃんとはっきりさせたいと思っています!」
すると義父はため息混じりにこう呟きました。
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コメント
コメント一覧 (6)
以下、コピペ
「…しかも本人は重婚を認めておきながら、うちの娘(あいか)とは離婚したいなどと世迷言を言っているそうで。
離婚したいなら、問題ないですよね。
お疲れですか?
サレ妻@あいか
がしました
間違うこともあると思います。
指摘の仕方がキツく見えますよ。
そんなつもりは無くても、文章にするとそう読めてしまうこともありますから。
サレ妻@あいか
がしました
偉ッそうなものの言い方からして完全にこちらを見下してますね。
この義両親も最後にギャフンと言いますか??😠
サレ妻@あいか
がしました