
『あのねお義母さん、やったのがあの子って言いましたよね?
…じゃあ申し訳ないですけどそれ、完全に慎也さんの自業自得じゃないですか?』
『………!』
『…あの人の性格上、もし【ただの怪我】なんだったらどんな状態であれすぐに泣き言の一つも言ってきますよ!
でも今回は私には連絡がなかった。それがどういうことかお分かりになりませんか?』
私は義母からの返事を聞かないまま、続けました。
『…痴情のもつれで相手の女性に刺されたなんて、恥ずかしくて私には知られたくなかったんですよ!
…うまく女と別れることすら出来ないのかって思われるのが嫌なんです。
…そういう男なんですよ…』
『なんてこと言うの!あいかちゃん、慎也くんが心配じゃないの?!』
義母は信じられない!といった様子で私を責めてきました。
…義母がそういうつもりでいるならば、私も容赦はしません。
『心配は心配ですよ。一応まだ夫婦ですから。
…でもね?お義母さんは息子が人に刺されるほどの酷いことをしたというご自覚はないんですか?』
『何言ってるの!あの子は被害者よ!』
『確かに被害者ですよ?人を物理的に傷つけるなんて、そりゃあやった方が100%悪いですよ!
…でもねお義母さん…』
私は義母に話しながら、自分はもしかしたらとてつもなく冷たい人間なのかもしれないな、と思っていました。
しかし…私はモナのことを無条件に責める気にはどうしてもなれなかったのです。
『私は事件についてまだ何も聞かされていないので断言はできませんけど…。
もし本当にモナが慎也さんを刺したのだとしたら、彼女をそこまで追い詰めたのは間違いなく慎也さんだと思いますよ?
…とにかく、私は動けません。
娘のこともありますし、慎也さんから来て欲しいと言われたわけでもないですから』
『そんな…!あいかちゃんがそんな冷たい子だと思わなかった!』
(どこかで聞いたセリフだなあ…)
『お義母さんがあちらに行ってくださるだけでも、慎也さんは嬉しいと思います。
…だからこそお義母さんに連絡したんでしょうしね。
…それでは私はこれで。飛行機の時間もあるんですよね?』
『あいかちゃん!何言ってるのよ?!あなたは妻でしょう?!』
『…ええ残念ながらいまだに妻ですね!…でも彼には他にも妻がいるじゃないですか!
…あ、その妻に刺されたのか』
私が揶揄うように言うと、義母は
『あいかちゃんがそんな態度だから慎也くんは他の女のところに行っちゃったのよ?!』
と通話口でブチギレています。
…これだけ説明しても、彼女の中では息子はあくまで被害者。
私のせいで息子は重婚したのだと言わんばかりでした。
『…あーそうなんですか。それはそれは…。
…すみませんが娘が泣いているので失礼しますね!』
私はそれだけ言うと、無言で通話終了ボタンを押しました。
もちろんすぐに義母からは再度着信がありましたが、無言で切ってブロック。
私は両親に向き直って、義母からの新情報について共有しました。
「…まさかと思ったけど、本当に刺されてた…。
…いい気味とか思っちゃダメなんだろうけど、悪いことはできないよねえ…」
と何の気無しに呟くと、両親も「うんうん」と頷いています。
「とりあえず慎也くんに連絡してみたら?大した事なさそうだけど、本当に刺されたのか・誰に刺されたのかはちゃんと本人の口から聞かないと…」
「そうだよね…」
義母がこんなつまらない嘘をつくとは思えませんが、とりあえず確認は大切。
▼目次▼
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※毎日15時ごろ投稿して行きます
アルファポリスでも投稿しています↓こっちの方が先まであります☺️
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コメント
コメント一覧 (4)
気になったのでシナリオ版を読み直して
まさかこの傷を…ww
思い出して笑ってしまいましたよ、そうだったそうだったwww
それにしても
航空券取っておいたからって所が完全に親子でドン引きしちゃう。
サレ妻@あいか
が
しました
私なら💩がどっちも両方と離婚さえしてくれれば安否どうでもいい、ザマァwwwとしか思えない…私の心の醜さがあぶり出されます(笑)
さて、チケット買ったって言われても知らんがな。自分らで行けばいいのに。
サレ妻@あいか
が
しました