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『いきなり人事部から連絡来て、そういう申告はもっと早めにするべきだろ!ってめちゃくちゃ怒られて、


『奥さんが何をしているか把握できてない?ちゃんと家庭を大事にしているのか?君に海外赴任は早すぎたんじゃないのか?』


 なんて嫌味言われて散々だったんだからな!』


(いや、全くもってその通りじゃん!)


『とにかく、余計なことするなよ!俺の仕事増やすの止めて!


 あと母さんがまた帰国後に金振り込むって言ってるからそれで手打ちでいいだろ?』


『どう言うこと?1000万円振り込むってこと?』


『お前、馬鹿か?』

 

 夫は鼻で笑いながら続けます。


『全部諸々含めて500万円振り込むから、それでもうこの話は無かったことにしよ。


 な?娘のためにも、ずっと喧嘩しているわけにはいかないだろ?


 それであいかの気が済むなら母さんが出すってさ』


(あもうダメだ


 私の中で何かが音を立てて切れます。


『誰がそんな金欲しいなんて言ったんだ!


 お前らみたいになんでも金で解決するような人間と一緒にいるのはもう限界なんだよ!


 いいからさっさと離婚届に判押して郵送してこいよ!


 お前らみたいな宇宙人と会話するの本当に疲れるわ!』


 私、人生で初めてこんな大声で人に怒鳴りました。


『ちょあいか?!だ何?!落ち着けって!』


『何回も何回も同じこと言わせるんじゃねーよ!もう限界なんだよ!


 そもそも、人を傷つけておいて<ごめんなさい>すら言えない奴らとまともに付き合っていられるか!』


 心の底に溜まっていたマグマが一気に噴出したかのように、私の口からは普段では考えられないようなスピードで言葉が出てきました。


『再構築なんてもう120%無いんだよ!気付けよ!


 もう私は小指の先程もお前のことなんて愛してないしどうでもいいんだよ!


 日本に帰ってきたところで、お前の居場所なんかここには無いからな!



 それもこれも全部、お前が原因なんだよ!』


 言い切った!と言うところで、後ろから母がそっと肩に手を置いてくれました。


 夫には伝わったでしょうか?私はこれだけのマグマを内に秘めて夫に接してきたのだと



 しばらく私たちの間には沈黙が訪れます。


 夫は通話の向こうでどんな表情をしているのでしょうか?そう思っていたらポロン♪


ポロン?


(また勝手に通話終了したの?!)


 これには両親も唖然。


「え切った?」


「切ったなどう言うこと?慎也の奴、あいかの言ったことちゃんと理解してるのか?!」


 そんな両親に、私は


………ごめん………


 そう言うのが精一杯でした。


 こんな男と結婚してごめんなさい。こんな男の子供を産んでごめんなさい。


 こんな騒動に巻き込んでごめんなさい!後から後から涙が溢れてきました。


 



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