一瞬設定を思い出そうとしたのか?黙った夫でしたが…
「それはだから、あいかに心配かけたくなかったから…。
そういう事にしてただけで、本当は刺されてたんだよ!母さんに聞けばわかるって。だから、な?」
「何が、な?なのか全然わからないけど、モナと別れたっていう公的な証拠はないってことでいい?」
「だから…怪我が証拠だって…」
ゴニョゴニョと誤魔化そうとする夫に恵理子さんが追撃!
「それじゃあ現地警察にも、怪我した原因や犯人についてちゃんと調書とって貰ってるんですよね?
事件番号は?わかりますよね?」
「…あーーーーーーー…えっと…何だったかなぁ?現地警察に問い合わせたらわかるんだけどなあ?」
「…へえ?お義母さんは“慎也が警察には届けたがらなかったから何も出来なかった“って怒ってたけどなあ?」
「だからぁ!それは、母さんが帰った後に…」
「へえ?じゃあ吉田さんに問い合わせてもらおうか?知ってるよな吉田さん。俺の指導員だったんだよあの人。
…社員が犯罪に巻き込まれたんだからなぁ、ちゃんと会社にも報告してるよなぁ?」
「!」
夫の赤い顔が、みるみるうちに青くなっていきました。
「いや…それは…だから…その…」
「…もうやめなよ…嘘に嘘を重ねたってどうにもならないよ…」
私はしどろもどろの夫を制して…
「あなたはいつもそうだよね。その場凌ぎの嘘を重ねて。
…最終的にどうにもならなくなってキレて怒鳴って恫喝して有耶無耶にして…。
それを許してしまった私も悪かったんだろうね。でも…もうおしまいにしようよ。
このまま結婚生活を続けても、どうにもならないと思う。
私とあなたでは、見ている景色も、見たい景色も全く違うんだもの」
夫はそれでもまだ諦めていないようでした。
「そうはいうけどさ、娘のことはどうするわけ?お前、無責任だよ」
(いや、慎也にだけは言われたくないんですけど!)
「…娘のことは私が責任持って育てていくのでご心配なく」
「俺は嫌だよ!娘が将来片親だからってなんか差別されたらどうする気だよ!」
「…全力で余計なお世話だわ!」
夫のトンチンカンな心配?にしっかりツッコミを入れ、
「で?離婚したくない理由はそれだけ?結婚していなければ自由に海外に赴任させてもらえないから?
…でもそれなら、もう会社辞めてA国に移住するんでしょ?
…ならもう結婚している理由、ないじゃない」
私は、これまで一生懸命に捻り出した夫の“離婚したくない理由”をいくつか潰していくことに。
「それとも会社に残りたい?ならモナに日本に来てもらってモナと再婚したら?
…私ちゃんと会社に言うよ?私たちの離婚は会社の…海外赴任が理由ではありませんって…!」
夫は私の提案に、下を向いて考え込んでいます。
(やっぱり私との結婚、そして離婚したくない理由はこれだったのか…)
と、重婚発覚以来心の中にずっとあったシコリが融解したような…そんな気持ちでいると…
「どうしてそうなるのかなぁ…俺は俺なりにあいかのことも娘のことも愛していたのに…。
…どうしてこうなっちゃったんだろうなぁ?」
絞り出すような夫の呟きに対して、その場にいた全員が
(いや、お前の重婚とかモラハラが原因だからな!)
と心の中で総ツッコミ。
「…君の行いが原因だと思うけど。…とにかく、じゃあ離婚に応じるってことで良いかな?
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※毎日15時ごろ投稿して行きます
アルファポリスでも投稿しています↓こっちの方が先まであります☺️
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コメント
コメント一覧 (2)
職場の同僚さんに助太刀してもらえてよかった!囲みは厚い方がいいし、💩さんが嘘ついても容易に覆せる。
やっとモナに刺されたこと白状しましたね、どんな恨みを買ってしまったのでしょう?
サレ妻@あいか
がしました