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『もしもし?!聞いてんのかよこのクソアマ!』


はいはい?聞いてますよ?どうしました?』


『どうしましただ?!俺の人生めちゃくちゃにしておいてよくそんなこと言えるな!


 今からそっち行くからな!離婚届なんて絶対に出させねぇぞ!』

 

 言うだけ言って通話を打ち切った夫。


「煮え煮えですねえ!」


「期待を裏切りませんねえここまで想定通りだと、ちょっと怖いです!」


「いよいよあいつの出番だな!」


 いそいそとどこかに電話をかけ始める父と、怒髪天をついている夫について語り合う私と恵理子さん。


 そして数時間後


 来ました!心なしか、車の音まで怒って聞こえます


 これは相当、煮えたぎっているんだろうなあとゲンナリすると同時に、


 ようやくそこまで夫を追い詰めたんだ!という達成感にも似た気持ちで、


 私は最終決戦に向けて自分を奮い立たせていました。



 モラハラに傷ついた日々、


 マネハラで自分の貯金を切り崩さざるを得なかった日々、


 失った命を悼む日々、


 重婚が発覚しても自分には何も出来ないと悩んだ日々。



(それも今日で、終わりにしよう!)


 玄関まで出迎えた母に挨拶もせず、リビングまで足早に来た夫。


「なんでいるの?」


 恵理子さんを指差して一言。


まず先に何か言うことないのかよ!)


「それはこっちのセリフなんだけど。あなたこそどうしてここにいるの?」


 と冷たく言い放ちます。


「夫が妻の実家にいるのなんて、当たり前だろ!?ちょっと中村の奥さん?


 悪いんだけど帰ってくれる?これから家族だけで話があるんですよね。気をきかせてもらえません?」


はぁどうします?あいかさん?」


「あのさぁ私の家に誰がいようと、私の勝手でしょ?


 むしろ挨拶すらロクにしないでいきなり家の中に入ってくるあなたの方が、よっぽど不審者なんですけど?」


 不審者呼ばわりがカチンと来たのか、夫、両親や恵理子さんの前であることも忘れて激昂します。


「はぁ?!それが夫に対する態度かよ!」


もう他人になるからねえ?離婚届にサインしちゃったの、もう忘れちゃった?」


 恵理子さんは静かにボイスレコーダーのスイッチを入れました。すると夫は


「何勝手なことしてんの?!俺がいつ、録音に同意した?!盗聴だからなこんなの!証拠になんかさせねぇぞ!」

 

 とレコーダーをガッと掴むと勝手に電源をオフにしてそのまま自分のポケットにしまいました。


「ちょっと!それ私のなんだけど!」


「だから何?!盗聴は犯罪じゃねえの!?これは話し合いが終わるまで俺が預かっとくから!」


「聞かれて困るような話をしなければいいだけの話でしょう?!」


「だからって夫婦の話を録音する理由にはならないだろ!とにかくこれは終わるまで返さないからな!」


 ここで録音するしないの言い合いになるのは避けたかったので、夫の希望通りボイスレコーダーは彼に持たせたまま、話し合いを進めることに。


「で?何の御用ですか?」 



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