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 夫はとりあえず自分の要求が通ったことで調子に乗ったのか


「その前に中村の奥さん帰らせろよ!ねえちょっと、夫婦揃って何なんですか?!


 他人のプライバシーに土足で踏み込んで!」

 

 と恵理子さんを攻撃し始めました。


ここは私の父の家で、恵理子さんは私のお客様。むしろ部外者はあなたの方だって言ったよね?


 立場を弁えてくれる?で?何の用?恵理子さんの前じゃ恥ずかしくて話せないようなことなのかな?」


チッ!恥ずかしいのはあいかの方だからな!」


 そんなやりとりをしているうちに、全員がリビングに大集合しました。


(さあ、終わりの始まりだ!)


 最初に話し出したのは、夫。


まだ離婚届は出してないんだよな?」


「まだ、ね。話し合いが終わればすぐにでも出したいけど」


すな


「え?」


出すな!」


 そう言うと、夫は近くに置いてあった私の鞄をいきなりぶちまけました。


「ちょ!慎也くん!」


「っていうかあの離婚届はどこだよ!あの時持ってた鞄、これだったろ?!


 人騙してサインさせやがって!あんなの無効だからな!」


この家中探してもいいけど、ここにはないよ。


 慎也のことだからそんな風に言ってくるかもしれないって思って人に預けてあるから」


 夫は目を見開いて、私を非難してきます。


「はぁ?!なんでそんな面倒臭い事するんだよ!誰に預けた?!」


「中村さんだよ!ちゃんと肌身離さず持ってくれているだろうから、今頃は会社にあるんじゃないかなぁ?」


「?!?!??!」


 夫はその場にへたり込みながら


「お前らマジでクソだな!」


 と悪態をつきますが、私たちは冷ややかでした。 


クソなのは慎也の方だよねえ?」


「どう考えてもね」


「クソにクソと言われてもな


「自分のしたことをもうちょっと考えた方がいいんじゃないんですか?」


とにかく、困るから!届けは出すなよ!それじゃ!」


 そう言って出て行こうとする夫。


 中村さんのところに離婚届の回収に行くつもりなのでしょうが、そうはさせません!


「ちょっと待ってよ?」


「あぁ?何?」


慎也が今から中村さんのところに行くって言うなら、今すぐ役所に届けを出してもらうよ?」


「はぁ?!」


「離婚に同意して届けにサインしたのは夫だよね?何を今更」


「だからあれは本心じゃないんだって!」


「はぁ?!そんな言い訳が通用するとでも?!」


 私もいい加減、腹が立っていました。もうこれ以上、周りに迷惑をかけるわけにはいかない。


 今日、この場でちゃんとケリをつけなければ!


「そもそもさ重婚したのは私?それとも慎也?」


(さぁ、2択地獄へようこそ!) 



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