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 夫ははっと我に返ったようで、またこちらを睨み返してきました。


「まずあの後お義父さんと合流したんだよね?


 A国にコネのある人でも紹介してもらおうとしていたんでしょう?でも残念!


 きっと会って貰えなくなったんだよね?


 それできっとお義父さんからお説教でもされたんじゃない?結局離婚するのかと。


 しばらくは海外じゃなく日本で仕事しろとでも言われたのかな?」


「誰のせいだよ!お前のせいで俺の人生設計が狂ったじゃねーか!」


和解したいって言ったり、人生狂ったってキレ出したり情緒不安定すぎない?


 ってことは大体私の言ったことは当たってるんでしょ?」


 夫が真っ赤になって黙ったことを見ると、正解だったようです。


「で?お義母さんに泣きついたんでしょ?


 あいかとは離婚せずにやり直すからあの500万円を渡して欲しい、仕事は義父のコネがなくたって自分でなんとかするとでも言ったのかなあ?」


 冷静にと思いつつも、思わずニヤニヤしてしまいます。


「でもきっとお義母さん、渡さなかったんでしょ!嘘つき!親を捨てようとするなんて!


 とでも言って泣かれたのかな?いずれにせよ話を聞いてもらえるような状態じゃなくなっちゃってたんじゃない?」


 夫の顔はどんどん険しくなっていきます。


「頼むよあいか!俺さ、日本じゃ輝けないんだよ!海外じゃないと!」


「だったら1人で行けばいいじゃない!離婚してからなら私、何も言わないよ?」


「だったらどうして母さんに告げ口なんかしたんだよ!」


「だってさおかしいよね?私の人生、娘の人生めちゃくちゃにしておいて


 慰謝料も養育費も一銭も払わずに海外に500万円なんて大金持って逃げようとするなんて?」


「だからって両親に嘘吹き込むとか、お前、頭おかしいだろうが!」


「はぁ?!頭がおかしいのは自分だってまだわからないの?そして人聞きの悪いこと言わないでくれる?


 私はあなたと違って、嘘なんてついてませんから!」


(まぁ、ちょこっとだけ話は盛ったけど!)


「とにかく、離婚はしますから!あなただって同意してサインしたんだから、自分のした事には責任持って下さいね!


 大人なんだから!今更出来ませんなんて通用しませんから!」


 すると夫は一瞬腕を振り上げてすぐに力を無くしたように項垂れました。 



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