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おいいい加減にしろこの恥晒しが!」


「?!▷×○☆×?!?」


 そう、録音はするなと言われていたので、録音はせず、私は義父にずっと電話を繋げておいたのです。


お前はもっと上手くやるかと思っていたんだがな!もういいから解放してやれ!同意書も書け!」


違うって!違うんだって!」


「全部聞こえてたぞ!良いからさっさと書け!俺に恥をかかせるな!」


 尊敬する?これまでずっと庇ってくれていた義父の一喝に、萎びた野菜化する夫。



………ぺん……と同意書………どこ……?」



 私が用意していた書類にロクに目を通さずさっさと署名する夫。


 味方だと信じていた義父の一喝は、想像以上に彼に大打撃を与えたようです。


「じゃあ、離婚届すぐに出すから」


……………はい………


 署名してもらった同意書を、父がすぐにプリンターでコピーし、一部を夫に手渡しました。


 内容は以前夫に送付した申立書とほぼ同じ。


 親権は私で面会は娘が望んだ時だけ。


 養育費として500万円を一括でいつまで支払うこと、などが書かれていました。


 夫は書類を受け取りながら「でもあれはモナを助けたかっただけだし


 どうして俺ばっかり責められんのまじムカつくんですけど」とボソボソ呟いています。


 (ああこの人はずっとこうやって人のせいにして、


 常に自分は正しいと思い込んだまま大人になってしまったんだなぁ)


 ムカつくのを通り越して、哀れにすらなってきました。


心の声がダダ漏れなんだけど?言いたいことがあればはっきり言えば?最後なんだから!」


 私が夫に矛先を向けると、夫は俯いたまま「てかいつの間に父さんまで手懐けたんだよ


 俺の味方じゃなかったのかよくそっ!」まだ義父に聞かれていると思っているからか、


 夫は小声でブツブツと文句を続けます。


「自分を庇護してくれるはずの存在に裏切られることがどれだけ辛いことなのか、ご理解いただけたかな?」

 

 その一言に、夫がハッとしたようにこちらを向きました。


「あなたにとって義父がそうだったように、私たちにとってはあなたが夫であり父であり


 庇護してくれるはずの人間だったんだよ?」


「だって別に俺は


「もう言い訳はいいよ。あなたは結局私たちを守れる存在じゃなかったってだけ。


 これからは娘に恥じない生き方ができるといいけどね?」


 夫はまだ何か反論したかったようですが、結局は最後に


「ごめんな色々と


 とだけ言い残して去っていきました。


 夫に響いたかどうかはわかりません。もしかしたらまた同じことを繰り返すのかも。


 でもこれが、夫に落とし前をつけさせるために私が私たちが選んだやり方でした。


(まあ、あのクソ男のことだから、またきっと何かやらかすんだろうなあ


「これで終わりですね!」


「まだ期日までに支払われるかはわかりませんけどね。とりあえず決着、かな?」


 そう、これでようやく私は重婚戸籍から抜け出すことが出来るのです!


 長かったような短かったような悪夢のような結婚生活でした。 



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